東洋医学からみた冬の過ごし方

東洋医学

鍼灸セラピストのあやにゃんです

少しずつ秋も深まり紅葉も見頃を迎えていますが、暦の上では冬が訪れています

冬の季節は立冬(11月7日)から翌年の立春の前日までとなり、立春(2月4日)から春が始まります(2021年〜2022年)

今回は、冬の節気の意味と冬の過ごし方をお伝えしていきます

冬の節気

立冬(11月7日)

冬の始まりですが、平野部では秋真っ盛りで紅葉が見頃となります

朝晩の肌寒さで、秋の深まりと冬の訪れを感じます

小雪(11月22日)

雨が雪に変わる頃で、雪国では冬を迎える準備を始める頃です

大雪(12月7日)

寒さが厳しくなり、雪が降り積もる頃

日が暮れるのが一年で一番早い日で、翌日は「事納め」です

熊が冬眠を始める時期でもあります

冬至(12月22日)

一年で夜の時間が最も長くなる日です

この日を境に昼の時間が長くなり春に向かっていきます

冬至にカボチャを食べ、柚子風呂に入ると風邪を引かないといわれていますね

古来中国では、この日に小豆粥を食べ、疫病を追い払い無病息災を願うといわれています

小寒(1月5日)

一年で寒さが厳しくなり始める時期で、俗にいう「寒の入り」です

この日から節分までの30日間を「寒の内」といい、真水を浴びて邪気を払う「寒中祓(かんちゅうばらい)」や武道の寒稽古が行われます

大寒(1月20日)

一年で最も寒い時期です

この時期は、凍豆腐・寒天・酒・味噌など寒気を利用した食物が仕込まれ、これを「寒仕込み」といいます

冬との向き合い方

冬の三ヶ月間は閉蔵の季節といいます

水が凍り、地が裂けるように陽気が万物から遠ざかるので、自然界も陽気を体内に閉じ込めます

人間も自然界と同様、陽気を活発にさせず春まで蓄えることが大切です

これに背くと腎の気が傷み、翌春に足が痺れやすくなったりします

早く寝て、遅く起きる

冬は閉蔵するので、昼が短く夜が長くなります

遅くても23時までには就寝しましょう

五臓六腑は胆に頼るという言葉があり、夜の11時から1時までは胆が最も活動しています

この時間帯に熟睡しなければ、胆汁が充分に分泌されません

胆汁は食物の消化や血を作る材料として必要不可欠なので、健康な体を作るためには23時からの熟睡は確保したいものです

そして、冬は日の出を待って起きましょう

何故なら、天地の陽気は日の出まで閉蔵されています

日の出に伴い天地の陽気が動き出し、同時に私たちの体の陽気も動き出します

陽気が閉蔵されている間に起床するのは、体内の陽気を無理やり起こすことになります

性行為を控える

「腎は志を蔵す」「腎は精を蔵す」「腎は生殖を蔵す」といわれ

腎が最も活動している冬の季節は、腎気を保養し、精を漏らさないようにすることが大切です

精気が満ちている男性は、冬でも体が暖かく薄着でも平気です

汗をかきすぎない

太極拳もいいですね

夏は陽気を発散させ、体内の寒邪・湿邪・毒素を追い出すため、汗をかくべき季節です

しかし、冬は逆に陽気が弱くなって体の奥に引っ込んでいるので汗をかくと陽気を消耗しすぎます

汗をかくとしても流れるような汗ではなく、体表に潤いを感じる程度にします

激しい運動は避けて、ウォーキングやヨガなどの軽めなものがおすすめです

お風呂の温度も熱すぎると、毛穴が開き陽気が抜け出てしまうので低めの温度に設定しましょう

腎が弱ると出てくる症状

冬の閉蔵に背いて陽気を消耗し、腎が傷んでしまうことを漏精(ろうせい)といいます

症状としては、盗汗(寝汗)・自汗(何もしないのに汗をかく)・蛋白尿・尿漏れ・女性のおりもの・男性の遺精・唾液・鼻水・涙などの量が多く止まらない症状

これらの症状は、「精」が漏れているサインです

「精」が漏れて腎が傷むと、春に手足が冷えたり、つりやすくなります

男性の性不能もその一つです

足湯をしましょう

冬の養生法の一つ、足湯の3つの効果

① 足には脾経・肝経・腎経・膀胱経・胆経という六つの経脈が通っています

この経脈を足湯で温めることによって、六つの臓腑に刺激を与え保護します

② 足は「第二の心臓」といわれています

足が温かくなると心臓に血液を供給でき、全身に血液を提供できます

③ 足には沢山のツボと反射区があります

足湯をすることで体全体に刺激を与えます

他にも、高血圧・高血糖値・高コレステロール・糖尿病・不妊症などにも良いといわれています

中国には足湯の大切さについての言い伝えが沢山あります

足は人体にとって木の根と同じで、気が枯れる時に根が真っ先に枯れるのと同じように、人は歳をとるとき足が最初に衰える

お金持ちは高い薬を服用して体を保養するが、貧乏人は足湯を楽しむ

寝る前の足湯は、朝鮮人参よりも効果がある

足湯は45度くらいのお湯で20分〜30分つかります

足を拭いたら両手で足裏と足の甲をさすり、靴下を履いて冷やさないようにします

紅花・生姜のスライス・塩・お酢などを入れると気血の巡りが良くなります

空腹時や食後の30分以内、生理中・妊娠中は行わないようにします

冬の食べ物

中国では「冬に大根、夏に生姜を食べれば医者に世話にならなくて済む」といわれています

春夏は陽気を保養し、秋冬は陰気を保養するということからも、この教えは理にかなっています

冬は根元から大地の陰気を吸収した大根などの根菜類・白菜・ほうれん草・豆類や雑穀を主材料に

時間をかけて煮込むようなものが良いとされています

まとめ

結論、冬はゆっくり無理せず過ごすこと

これですね

体の中の陽気はむやみに外に出さず、、次の春に桜が花を咲かせるように今はしっかりと保養しましょうということです

それは、体だけではなく心の持ち方も同じです

心を静かにし、自分の内面へと入っていきやすい季節です

普段からイライラしやすい人や喧嘩っ早い人も一呼吸おいて、無駄な陽気を抑えましょう

陰陽四季とは、万物の始まりから終わりまでのサイクルです

これに順応すれば小さな病気も起こらず、これに逆らえば体に何らかの不調が出てきます

病気になってから治療するのではなく、病気になる前に予防したいですね

最後までお読みいただきありがとうございました

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