鍼灸セラピストのあやにゃんです
今回は、人間五蔵説について解説していきます
私たちの身体
ヨガの教えでは、私たちの体は魂の乗り物として伝えられています
その乗り物は、3つの身体と5つの鞘でできていると考えられています
3つの身体の構成
1、身体・肉体(粗大な身体)
粗大な身体は、空・風・火・水・土の5つの要素からなっています
この5つの要素は私たちの誕生から始まり、成長・変化・衰退・死などを体験していきます
2、アストラル体(微細な身体)
アストラル体は快楽と苦痛の経験を意味し、19の要素で構成されています
5つの行動器官:口・手・足・排泄・生殖器
5つの知覚器官:目・耳・鼻・舌・肌
5つのプラーナ:下記の表
5つのプラーナ | 色 | チャクラ | 場所 | 機能 |
プラーナ | 黄色 | アナハタ | 胸 | 呼吸 |
アパーナ | オレンジ色 | ムーラダーラ | 肛門 | 尿・便の排出 |
サマーナ | 緑色 | マニプーラ | へそ | 消化 |
ウダーナ | 青色 | ヴィシュダ | 喉 | 嚥下 |
ヴィヤーナ | バラ色 | スワディスターナ | 全身 | 血液循環 |
4つの内面:心・知性・潜在意識・エゴ
3、コザール体(原因の身体)
コザール体は、粗大な身体と微細な身体の両方を持ち合わせています
アストラル体とコザール体は、肉体の死を迎えると体から離れます
チャクラについてはこちらの記事でどうぞ
5つの鞘の構成
*上の絵を見ながら読んでいただくとイメージしやすいと思います
1、アンナマヤ・コーシャ(食物鞘)
肉体の一番外側にある粗大な身体で、食べ物や食べ物のエネルギーでできています
この肉体こそが自分自身だと思って執着しているときは、自分の本質から最も遠く離れています
ピュアな食べ物やヨガのアサナで浄化していきます
2、プラーナマヤ・コーシャ(生気鞘)
アンナマヤ・コーシャ(食物鞘)を支えるエネルギー(プラーナ)の鞘で、プラーナを完全に失った状態が死です
ヨガのアサナとプラーナヤマ(呼吸法)は食物鞘と生気鞘に働きます
経絡は、この二つのコーシャの交わるところにあります
プラーナヤマ(呼吸法)で浄化していきます
3、マノマヤ・コーシャ(意思鞘)
感情や思考・心の覆いで、欲情・快・不快など感情的な混乱や痛みなどが蓄積されます
肉体の傷は目で見ることができますが、感情や心の傷は目で見ることができません
しかし、感じたことは肉体に影響し、肉体の影響は心に影響します
私たちは、病気や怪我をすると時間をかけて治療しますが、感情や心の傷にはあまり注意を払いません
感情や心の治療にはシャバアサナがとても重要です
また、ヤマ・ニヤマ・無私の奉仕でも浄化ができます
*ヤマとは・・・非暴力・嘘をつかない・禁欲・盗みをしない・貪らない
*ニヤマとは・・・清潔・満足(知足)・修行・学び・信心
4、ヴィジナマヤ・コーシャ(理知鞘)
分析力と判断力(知性)、自己主張(エゴ)で構成されています
マノマヤ・コーシャ(意思鞘)での感覚器官や感情、思考を通して得た様々なことをヴィジナマヤ・コーシャ(理知鞘)で判断します
この鞘は、知性や直感、知恵の鞘です
肉体の欲求や心の欲望がなければ、この鞘に近づくことができます
しかし、普段の生活の中では自分の直感に耳を傾けたり、直感を信じることがなかなかできません
大抵は人に聞いたり、本やネットなどからアドバイスを求めます
過去や未来に囚われず、判断せず、ただ起こることを眺める練習(瞑想)をすることで、自分の思考がゆっくりと流れ、客観的に眺められるようになり自分の存在を感じるようになります
しかし、だんだんと自分の本質には実在がなく、流れていく思考とも別の存在だということに気づきます
例えばストレスを感じた時、その痛みがこの先もずっと続くのではという恐れは頭で勝手に考えていることです
その痛みの中にある平穏を見つめ、あるがままを見ることで気づき、そのストレスをも認めるということです
5、アンナダマヤ・コーシャ(歓喜鞘)
至福の喜び・幸福感・静けさ・平和の体験や経験で、5つの鞘の中で最も真我(アートマン)に近いものです
ヴィジナマヤ・コーシャ(理知鞘)の浄化と努力で歓喜鞘に到達します
肉体や呼吸、心を超えてリラックスした私服の喜びに満たされます
金持ち・貧乏・健康・病気・好き・嫌いなど、一切のものはありません
更なるカルマヨガ(奉仕・愛)を行うことで、自分だけでなく他人や周りの人の世界も変わっていきます
歓喜鞘は全ての人の中にありますが、トラウマなどの記憶の袋やエゴによって見えなくなっています
私たちの本来の姿は、苦悩がなく自由です
私たちの身体は魂の乗り物
3つの体と、5つの鞘を踏まえた上で、私たちの身体を表したものがバガヴァッド・ギーターという物語の中に出てくる馬車に例えられています
私たちは、この馬車に乗って魂の旅をしています
車体は、私たちの粗大な肉体と生気を表します
そもそも、車体がきちんとメンテナンスされていなければ旅はできません
それには、ヨガのアサナと正しい食事プラーナ・ヤマ(呼吸法)が欠かせません
馬は、私たちの微細な身体、行動器官(手・口・足・排泄・生殖器)と知覚器官(目・耳・鼻・舌・肌)、心やエゴを表します
馬は、私たちの欲望や心によって前に進んでいきます
御者(ドライバー)は私たちで、御者が握っている手綱は私たちの意思です
私たちは、馬が暴走しないように手綱を引いて正しい道に誘導していかなければいけません
そして、馬車はどこに向かっているのか(目的)を認識しなければいけません
御者の隣にいるのはアートマン(真我・良心)です
クリシュナ神として描かれたりもします
御者は、クリシュナ神の言葉を聞きながら手綱を引いて進みます
御者は、方向(目的)も真我(良心)も見ないといけません、それは常に心の声を聞くことです
そして何か問題が起きたら、車体を点検し修理していきます(自分自身を調べる)
それを繰り返しながら、私たちは魂の旅を続けているのです
まとめ
いかがでしたか
ヨガの哲学は宗教的なところもあり、少しとっつきにくいところもありますが、頭で理解するというよりも、ヨガのアサナや日常の生活の中で少しずつわかっていくと思います
ただ、実践するのは難しく日々修行ですね(笑)
怪しいと思わず、ヨガって深くて面白いなと思っていだだけると嬉しいです
最後までお読みいただきありがとうございました